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'57 十二人の怒れる男 12 ANGRY MEN

  社会派シドニー・ルメットが放つ、法廷サスペンスの代表作。50年前の映画ですが、いまだにTVで放映されますし古臭さなど感じられない名画です。今日本も陪審員制度が数年後に始められるといわれていますが、これほど凝縮した展開の判定が出来るだろうかと考えてしまいます。
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  17歳の少年による殺人事件の裁判で、12人の陪審員中11人は有罪に投票するが、ひとりだけ8番(ヘンリー・フォンダ)が証拠に疑問を持ち無罪を主張。白熱する議論と説得の中、ひとり、またひとりと無罪の方へ心が傾いていく…。
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密室の中、決して名前が明かされることのない12人が、それぞれの心理状態や家庭環境によって評決が二転三転していくさまが実にスリリング。会話劇であるにも関わらず、ヘンリー・フォンダ、リー・J・コッブ、ジャック・ウォーデンなどなど、いぶし銀のような名優たちの言葉による戦いは、見事と言うしかない。
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 初めてこの映画を見たとき、審判に(あるいは審判過程の一部に)法律や判例の知識のない市民の判断を仰ぐということは、判決の基準を陪審員の心情や社会的通念に置くことであり、果たしてそれは審判に誤った影響を与えることはないだろうかという疑問もわきましたが、同時にこの日本で果たしてこれだけの議論を尽くして判定を下す事ができるかをつい思ってしまいました。数年後で始まる陪審員制度。何とか旨く正義が行われるようにと祈るばかりです。
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 上記の写真、上段の左から1-4、中段左から5-8(この8番が主人公のヘンリー・フォンダ)
下段左から9-12.(名前を明かす事は無いのです。)

 殺人事件の審議を巡る陪審員達の手に汗握る法廷劇の傑作!
機会が有ったら、是非御覧頂きたい名画です。

by ester-park | 2007-10-27 21:54 | 懐かしい映画いろいろ
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